鈴木和夫さんの葬儀に参列して来ました。
強泣きし、泣き崩れる人、それを労わる人も泣き崩れる姿を目の当たりに見て、
何時ものことながら、こんな事故は二度と起こしてはならぬと思いました。
その思いから警告を含めて件名に関し報告します。
これは雪崩発生から18時間後の現場での情報収集と調査結果です。

11/23 12:05 化け物岩の東側の通称下降尾根との間の稜線のコル付近から北大ワンゲル部OBの2名が下降を始めた、1人目がまだ浅い雪庇から下り、さらに東側(下降尾根方向)へトラバースを始めた途端、亀裂が入り、雪崩を誘発した。この1人は雪崩と共に滑落し埋没した。もう1名は雪崩後の斜面を下降している。この時、雪は無く石交じりのガレバだったと言っている。
最大幅120m、走路250m、下部デブリの長さ170m。デブリの深さ3m。
上部の積雪は50cm〜1mほどで地面にある氷板が崩壊し全面に渡り伝播したものと推測出来る。下降登山者の証言と写真から全層雪崩と推測出来る。

東隣りの40度近いルンゼを50mほど登り断面観察した。
斜面の凸面は氷ってない火山灰の中に拳大の石まじりで表面は透明な氷板で氷板の下に空間が多い。凹ルンゼの断面観察では、上から新雪、こしもざらめ、しまり雪、しもざらめ、ざらめ、氷板、岩石、の順番になっていた(左図参照)。
私の危険な作業を真下の安政火口でジット見てくれている若者3名が記憶に残る。
(自分としては上部は土砂交じりの氷板で積雪はなく雪崩よりも滑落に用心していた)。
たまたま安政火口を歩いていた登山者11名が猛烈な爆風に飛ばされた後に埋没
。雪崩と共に滑落した登山者は1.5m、そに下に居た鈴木和夫さんが2.5m、さら
に下部の人は1.5mに埋没していた。このパーテイの多くはここは雪崩の場所でないとの判断からビーコンをONにしていなかった。
しかし鈴木さんと2名だけは発信状態になっていた。(通常は登山口でビーコンチェックする)。ビーコンが発信状態だった3名はいち早く掘り出されたが、滑落した登山者は30分後位で一命を取り留めた。鈴木さんは1時間半後に2.5m下から掘り出されて、心肺蘇生を2時間以上試みたが蘇生しなかった。これを行ったのは札幌中央勤労者山岳会の9名と札幌山の会。中央労山は常日頃から雪崩セルフレスキュー訓練と心肺蘇生訓練を重ねている。
11/10にも私がこの訓練を雪のない野幌森林公園で実施している。
ビーコンを持たない4人目の人は鈴木さんより5mほど下部で2m下にいた(翌日発掘)。
並んで歩いていた事から鈴木さんの近くに居るはずとの事から10cm間隔の細
かいゾンデをした結果、私のゾンデが遭難者の右腕に当った。
デブリはしまり雪でプラスチックスコップで掘れる硬さ。
しかし、安政火口を歩いていたパーテイは何故、より低い河原で崖よりのルート
を歩いていたのか?判らない。
この日の安政火口はZポイント(夏道)あたりから化け物岩下部から自然発生で落ちたデブリが各ルンゼにある。朝7時に通過した人はデブリは無かったと言っている。
雪崩現場も垂直に近い崖で雪でなくとも岩も落ちて来るような予感のする場所。
5mほど三段山側の小高い所(夏道)を歩いていてくれたらと悔やまれる。

今年のカミホロ周辺は11月初めから寒気が入り放射冷却も多く冷え込んだ。
その時に出来たこしもざらめ(含、しもざらめ)により11/13には下降ルンゼ
(小屋付近)で雪崩て1名が埋没している。この時にさらに雪崩は起きると警告
を出した。そして11/23のこの事故。
今後もカミホロだけでなく、1500m以上では大雪山でも富良野岳でもこの弱層は
雪崩を誘発してくれるのを待っている。
特に、OP尾根、D尾根、多くの人が入る富良野岳、三段山、オプタテが危ない。

11/23 12:05 雪崩誘発   全層雪崩

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雪崩斜面

化け物岩

拡大写真は画像をクリック

安政火口の全景

2007/11/23 12:05 発生

化け物岩東側の雪崩斜面の東隣り
の安政火口から50m上の断面観察

2007/11/23 カミホロ 雪崩調査報告